前回に引き続き、皆さんに紹介したい本について綴っていきます。
小道モコさんの『あたし研究』『あたし研究2』クリエイツかもがわ
この本では、
30歳を過ぎてからASDの診断を受けた小道モコさんが
ご自身の生きる世界や経験についてイラストと言葉で描き、綴ってくれている。
含みがある言葉や慣用句に弱いこと、
見通しがつかない不安、
見える/見えないがとても大事なこと、
自分の身体の把握の仕方、
学校を何が起こるか分からないジャングルのように体験していたこと、
時間割や持ち物の難しさ、
多くの人々のスタンダードと「あたしのスタンダード」の違い等、
小道さん自らが幼い頃から体験してきた
言葉で説明することが難しい感覚的な体験世界のことを私たちに教えてくれる。
「私の願いは、一人でも多くの方にASDについて理解していただき、これから将来を歩む子どもたちが、のびのびと自分の翼を広げて、成長していってほしいということです。」
「幸せって、『ありのままにその人らしく生きられる』ことだと私は思っているんです。」
小道さんの言葉は、
私が別のブログで書いている「ユニークな子育てのススメ」のテーマとも共通することであり、
とても共感を抱きます。
また、
私たちが行っている心理カウンセリングや心理療法というものは、
まさに、
その人がその人らしく生き生きとユニークな存在として主体的に生きていくことに向かえるための手助けをしていくことをとても大切にしています。
小道さんは、
さらに以下のように書いています。
「自分の個性を丸ごと応援してくれるファンが自分にはいる、という確信は、生きていくうえで、とても大きな支えになると思います。」
「受け入れられている、という感覚は、どんな困難をも乗り越える、秘めたパワーになると、私は確信しています。
小道さんの本の中には、
アメリカの美術の先生や紙のおじさんという温もりをもった眼差しを小道さんに向けてくれていた人たちが登場します。
小道さんの心の中に今なお生き続け、
小道さんを心の内側で支え応援してくれている人たちなのだろうと想像します。
それがきっと、
「自分の個性を丸ごと応援してくれるファン」として、
脅かさずに自分が自分でいられることをOKしてくれる存在として、
「生きていくうえで、とても大きな支え」になっているのだと思います。
自分が自分を大切にできるのは、
自分を大切にしてくれる他者が自分にはいるということを感じられることから始まるのかもしれません。
発達障害の子どもとの関わりに「心」を忘れないことが大事な理由にもつながります。
当カウンセリングルームでは、
発達障害のお子さんの心理カウンセリングや心理療法を提供しています。
発達障害の子どもたちの心を育んでいくために、
自身の感覚や体験世界について一緒に向き合ってくれる他者の存在は大きな支えとなります。
また、発達障害のお子さんをどう理解し、関わっていくかということに悩まれているご家族からの相談も受けています。
発達障害のお子さんのことで、ご相談したいことがある方がいましたら、是非、ご連絡ください。
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